◆ プラズマテレビと液晶テレビって、どうちがうの? ◆
     
 プラズマテレビも液晶テレビも形状としては薄型のフラットパネルディスプレイ(FPD)で場所もとらず映像もきれいで見た目には全く同じモノに見えます。では、いったい何が違うのでしょう・・・?
結論から言いますと。

画面(ディスプレイ)の構造が違う!
ということです・・・。

「そんなことは分かってる!」と言われそうですが、では、「どう違うのか?」というと。

  • プラズマテレビ(PDP)は2枚のガラス板の間にアルゴンやネオンなどの不活性ガスを注入したモノ。
  • 液晶テレビ(LCD)は2枚のガラス板の間にアモルファスシリコンやポリシリコンなどの液体に結晶が浮いている液晶を注入したモノ。

    (どちらも、それぞれの物質を2枚のガラス板の間に注入しているのは同じですが、ガラス板に形成された透明電極の配線や各々の方式による構造は全く違います。)

もう少し詳しく表示の仕組みを説明していきましょう。

  • プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel ・・・ PDP)

    PDPは、透明電極配線を施した2枚のガラス板に高電圧を掛けると、間に挟まれた不活性ガスがプラズマ放電を起こし、自ら発光します。
    これは蛍光灯と似た原理で、イメージとしては光の3原色である赤緑青(RGB)のとても小さな蛍光灯が画面全体に並んでおり、蛍光灯1本1本の明るさを調整して映像を表現している感じです。
  • リキッドクリスタルディスプレイ(Liquid Crystal Display ・・・ LCD)

    LCDは、透明電極配線を施した2枚のガラス板に低電圧を掛けると、間に挟まれた液晶が向きを揃えるように並びます。
    液晶自体は絶縁体であり電圧を掛けても自ら発光できないため、裏側からバックライトという装置で光を当てています。
    液晶を挟んだガラス板はさらに2枚の偏光板で挟まれており、バックライトからの光を液晶分子の方向を変化させることで通過する光の波の方向を調整しています。
    イメージとしては光の3原色である赤緑青(RGB)のとても小さな窓が画面全体に並んでおり、窓1つ1つのブラインドで通過する光を調整して映像を表現している感じです。


それぞれおおよその原理は分かって頂けたでしょうか?
それでは、各々に対する長所と短所をブラウン管テレビと併せて見ていきましょう。

方式
長所
短所
プラズマテレビ(PDP) コントラストが高い、応答速度が速い、 消費電力が多い、放熱量が多い、
液晶テレビ (LCD) 消費電力が少ない、重量が軽い、 コントラストが低い、視野角特性がよくない、応答速度が遅い、
ブラウン管テレビ(CRT) コントラストが高い、応答速度が速い、 消費電力が多い、放熱量が多い、スペースをとる、

以上のようになるのですか、じつはこの中で応答速度が一番速いのはブラウン管テレビです・・・。
応答速度とは、画像が移り変わるときの変化の速さのことで、動きの速い映像などは、2004年現在では些少ながら ブラウン管に軍配が上がります。

下記の表はそれぞれの特徴をデータで現したものです。

項目
プラズマテレビ(PDP)
液晶テレビ (LCD)
ブラウン管テレビ(CRT)
表示部の主要材料
気体
液晶
蛍光体
発光方法
自発光
バックライト
自発光
輝度
200cd/?以下(ピーク輝度:1000cd?/以下)
数百cd/?
数百cd/?以下(ピーク輝度:数百〜千数百cd/?以下)
視野角
全方向
±170°
全方向
応答速度
16ms以下
15m〜50ms
2ms以下
精細度
200ppi
100dpi以下

さて、ここまでプラズマテレビと液晶テレビの違いについて説明してきましたが、今後はどちらも最新の技術により改良が進み、お互いの差は縮まることでしょう。
また、新しい素材として有機EL(Organic Electroluminescence OEL)を用いた変形(曲がる)可能なディスプレイも出てきています。